Chiyoda Gakuen
今日はバレンタインデーだそうです。何時どんなきっかけでそんなお祭り騒ぎが始まったのか、とんと知りませんが、ちょっと気になる話題をひとつ。先日公開されたばかりのマーティン スコッセン監督の映画「沈黙」(遠藤周作原作)です。
テーマは信仰と贖罪なのですが、この作品は原作に対する監督のリスペクトがなければ成立しなかったに違いありません。江戸時代の隠れキリシタンに対する容赦ない迫害や宣教師の苦悩を描きつつ、人間とは如何なる存在であるかを、これでもかとばかりに問いかけてきます。
冷酷無比の役人、筑後乃守が迫る棄教に、敢然と抵抗する宣教師。しかしその陰で「私」の身代わりとして、次々に殺されていく信徒
「転び」を通して見る、どうしようもなく弱き者人間への愛惜の念。 逆説的ではありますが、ここに救いが成立する根拠があると言っているように思われます。かくあるべしとの規範ではなく、かくあろうとする場に自らを置くことを、心に留めて生きていきたい。
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