Chiyoda Gakuen
卒業生の皆さん、ご卒業そして学位記の授与まことにおめでとうございます。心からお祝い申しあげます。ご列席の保護者の皆様には、成人した我が子の晴れ姿、感慨も一入の事と存じます。また本日は何かとご多用の折にも拘わりませず、枉げてご出席頂きました御来賓の皆様、誠に有難う御座います。厚く御礼申し上げます。
さて卒業生の皆さん、皆さん方にとって大阪千代田短期大学での2年間は、とても充実した時間だったと、振り返って胸を張り言えるでしょうか?きっと2年間はアッと言う間のことだったと思います。入学して直ぐに実習が待っていましたね。果たして自分はやっていけるだろうかと、不安や戸惑いもあったことでしょう。でも、皆さん方は頑張って今日を迎えられました。この間、人間関係や成績、そして就職のことなど、いろいろ思い悩まれた日のことも、今となっては、その全てが懐かしい思い出ではないでしょうか。健康医療実務コース、介護福祉コース、そして幼児教育科、各々課題意識を持ち、深い学びと資格取得に全力を傾注されてこられました。
私のなかで特に強く印象に残っているシーンがあります。それは介護実習報告会に実習先の指導員の先生方が馳せ参じて下さり、厳しくも暖かいご助言を頂いたことです。期待すればこその励ましは、皆さん方にとって何よりもの財産になるに違い有りません。これまで皆さん方を支えて下さった方々に今度はお返しする番です。皆さん方の多くが、地域社会が今日求めてやまない、幼児教育や保育、介護福祉のスペシャリストを目指し、仕事に就かれることを私は嬉しくまた誇りに思います。
しかしその一方、これから皆さん方を待っている今日の社会の有り様については、強い懸念を抱いています。世界中で移民排除を掲げる極右が支持を広げていますが、日本とて例外ではありません。私達の心の奥深く、静かに優勝劣敗の思想や考え方が浸透してきているのではないでしょうか?障害者施設での無残な殺傷事件、相模原の事件で問われたのは、人は役に立つか、立たないかで、命を奪われるその理不尽さをどう受け止めるかです。この事件を特異な事象として済ませてしまってはいけないと思います。異質なものを排除、抹殺する極端な排外主義と同根ではないか、易きに流されないように自らの点検を怠らないことが大切です。そして世界中が例え憎しみの連鎖に括りつけられていたとしても、その連鎖を断ち切り、指し伸べる手の先に、その手を握り返すもう一つの手が存在するということに信頼を置いて、今日を生きる。先ずは自分の内に希望の火を灯すことから第一歩を踏み出して下さい。
皆さん方の門出に際し、お祝いと激励の言葉と致します。
ご卒業おめでとうございます。
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