Chiyoda Gakuen
私学関係者として、最近の学校法人をめぐる報道に目を白黒させています。土地価格の査定や、許認可条件の緩和等も、いともあっさりと事が運んでいることに、何と手際の良い事かと驚いています。いや、しかし、何もここで正論を一席打とうなどと言う積もりではありません。
それどころか文科省や大阪府は、これまで私達が種々相談した折には、常に真摯に耳を傾け、厳しいながらも適切な助言や指導を心掛けて来られたこと、これはもう断じてそれに相違無いと思っています。で、あればこその戸惑いです。では何故こんな展開になっているのか、下手な考えを巡らせてみました。すると見えてきたのは行き過ぎた規制緩和です。
学校教育への参入の敷居を低くし、自由な競争を促すことで、より良い教育が提供出来ると信じて疑わない人達にとっては、そもそもルールはあって無きがもの。だってルールが障壁そのものなのですから。そしてこうして、今に至っているのではないでしょうか。
大切なことは、公立と同様に私学もまた公教育を担っているとの重い責任を自覚し、同じ土俵の上で互いに高めあうために、各校其々が創意工夫を凝らすことです。近道で行こうたって、教育にショートカットはありません。日々の営々とした積み重ねのその先に、こども達の笑顔が待っているということを、端から信じて疑わないものだけに託された崇高な事業、それが教育だと思います。今回の事案を奇貨として、私自身の覚悟を問い返す機会にしなければと思っています。
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