Chiyoda Gakuen
短期大学介護福祉コースの「卒業論文発表会」が開催されました。時間の都合がつかず、なんとか二人の報告を聞くのが精一杯でした。後で気付いたのですが、二人のレポートはそれぞれにとって、とても切実な課題だったのです。
Hさんは自らが育った町の過疎問題に、どう向き合えばよいのかをテーマに取り上げました。社会資源をはじめ所与の様々な条件を過不足なく把握し、これらを利活用することで、新たなコミュニティの可能性を見出せないか?孤立しがちな高齢者や数少ない児童と地域住民との交流の場を創出するため、特別養護老人ホームと認定こども園が共催して開催された祭りの取り組み。縦割りの行政組織の弊害を、横串に繋ぐ地域の柔軟で創意に満ちた楽しい催しです。ともかく無いものを数えるのではなく、有るものを活かし甦らせ、未来へ橋を渡すこと。その地で生きていくということはそういうことなのだと、とても暖かい気持ちになりました。
そしてNくんの報告は「障害者差別のない社会をめざして」です。身近な人が知的障害者だと自ら紹介し、障害者に対する偏見の実例にふれつつ、鋭い問題提起で締めくくりました。「マイノリティー」「社会的少数者」と言う表現それ自身への違和感です。ハットしました。「マジョリティ」から「逸れた、存在」という意味をそれは包含してはいないか、と問われているようで新鮮な驚きを覚えました。
二年間の学びの到達点。この瑞々しい感性と問題意識を持って、卒業して行く君たちみんなに幸あれと心から願わずにはいられませんでした。
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