Chiyoda Gakuen
気付けばもう11月が間近です。今年は大阪北部地震に始まり、広く西日本一帯を襲った豪雨や洪水又、土砂災害などによる甚大な人的、物的被害、そして度重なる台風の直撃に加え、更には北海道地震に見舞われ、私達は自然の猛威の前に、人間の無力をこれでもかとばかりに思い知らされました。改めて20世紀を通して、自然環境の破壊をも省みず、先進国が開発に明け暮れた狂騒の日々を思い浮かべざるを得ません。石炭や石油など、46億年の地球の歴史によって蓄積されてきた遺産を、蕩尽し尽くしかねない傍若無人の振る舞い。時を追い越し、未来を強奪して来た所業の先に、待っていたのが世界中で生起している、災害の数々ではないでしょうか。
今一度、歩を緩め自然の息吹を胸いっぱいに感じ、一日一日を生きて行きませんか。大阪千代田短期大学での2年間は、自分を見つめ直しこれからの人生を如何に生きるか、自ら選択するための貴重な時間です。とは言っても、実習に講義にそれは忙しい毎日を過ごしている学生の皆さん方にとっては、「学長、そんな余裕なんてないですよ」と言う声も聞こえて来ます。本当にそうですね。でもだからこそ敢えて皆さん方に提起します。日々の学びの意味をしっかり自分のものにして下さい。そして科目相互の関連をよく掴み、学びの質をより豊かにそして深く理解するように努めて下さい。学ぶことを楽しみましょう。そうすれば一気に視界が開け、ますます大学生活が充実すること請負です。
さて、待ちに待った大学祭です。この日のための諸準備に取り組んで来られた全ての皆さんに敬意を表します。それぞれ趣向を凝らした取り組みや模擬店、さぞや楽しいことでしょう。本学の学園祭の何よりの魅力、それは小規模校だからこそ可能なお互いの関係性です。誰もが主役であり、誰もが一番の理解者であることを前提として成立している大学祭。学生同士はもとより、教職員も含め全員が知己であることの親近性は、言葉に尽くせない暖かさとともに、それでいて親しいが故の辛辣なヤジのひとつも、また場を和ませる魔法の瞬間を紡ぎ出します。木々が色づき始めた秋の深まりを身に感じつつ、一日目一杯みんなで弾けましょう。
小山田祭の盛会を心から祈念し、祝辞と致します。
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