Chiyoda Gakuen
2022年度大阪暁光高等学校に入学された298名の皆さんご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を祝し、学園を代表して心から歓迎の辞を申し述べます。先ずは本校の歴史から紐解きましょう。本校は第二次世界大戦後の混乱した社会を憂い、高野山真言宗盛松寺住職高橋道雄師が1947年、昭和22年に財団法人「女子専修学院」を設置したのが始まりです。そして1950年、昭和25年に、庶民のために学問所を開いた宗祖弘法大師空海の偉業に倣い、今こそ教育の充実が求められていると学校法人千代田学園を創設し「千代田高等学校」並びに同付属「東幼稚園」を開設し、以来幾星霜の荒波を乗り越え72年の時を刻み今日を迎えました。この間1965年、昭和40年には「大阪千代田短期大学」を開学し、幼児教育のエキスパート育成にも力を尽くしてきました。高等学校も又教育環境にとって大切な学び舎である新校舎竣工を機に、その名も「大阪暁光高等学校」へと改めました。
この間一貫して大切にして来た本学園の教育理念は、弘法大師空海が開かれた「綜芸種智院」の精神,即ち身分や貧富の区別なく庶民の誰もが、1200年もの昔、当時のあらゆる思想や学問・学芸を総合的に学べる学問所に倣い「人間教育」を千代田学園の建学の精神と定め、生徒の全面的な発達をとことん支えることを全ての教職員の目標として来たことです。
高等学校では、生徒の皆さんのありのままをしっかりと受け止めるとともに、皆さんが自らの限りない可能性に気付き、迷いつつも今を大事に明日に向かって、クラスの仲間と励まし合い楽しくも充実した高校生活を送って欲しいと願い、教職員はいつも皆さんの身近にいます。迷った時、不安に思ったりした時は、躊躇なく教員に声をかけて下さい。どんなに忙しくとも振り返ってくれる、それが本校の教員です。
さあ、今日から始まる高校生活。コロナ禍もまだまだ油断できない状況の下、世界では戦争や紛争が絶えず毎日辛いニュースに心が塞がれます。また貧富の格差問題は日本自身が抱える問題でもあり、自分一人ではどうしようもなく途方に暮れると思われるこうした課題も、いやだからこそ、逆に助け合ったり、知恵を出しあったり、異なる考えに思いを馳せたりする中でしか解決の道筋は立てられないことを教えてくれます。今だけ、ここだけの刹那に捕らわれず、自分を信じ、自分が選択して入学した本校での三年間が充実した年月だったと胸を張って言える日を心に秘めスタートです。
最後になりました。保護者の皆様、数多ある学校の中で本校への入学をご決断頂き感謝申し上げます。全力を傾注して日々努めて参りますが、皆様のお力添えがあって初めて成しうる事業であるとも心得ています。ご支援を心からお願い申し上げまして、学園を代表して入学の祝辞といたします。
2022年4月11日
学校法人千代田学園
理事長 髙橋 保
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