Chiyoda Gakuen
長い冬を越え、ようやく春の訪れです。大阪暁光高等学校に入学を許可された293名の皆さん、皆さんも今年は、とりわけ心地良い春の風を感じておられることでしょう。ご入学おめでとうございます。心から皆さん方を歓迎致します。また、保護者の皆様には、今日のこの日に向け、頑張ってきた我が子の成長に、感慨も一入の事と存じます。ご入学、お祝い申し上げます。そして年度当初のお忙しいなか、駆けつけて下さいましたご来賓の皆様、学校法人千代田学園を代表して御礼申しあげます。本当に有難うございます。
さて、入学された皆さん、初めに本校の歴史についてご紹介しましょう。1950年(昭和25年)、真言宗高野山の末寺、盛松寺の住職高橋道雄師が、戦後の混乱期、人心の荒廃を憂い、宗祖弘法大師(空海)に倣って、人間教育を掲げて、千代田高等学校と幼稚園を開設されたのが始まりです。建学の精神である人間教育は、宗祖弘法大師が今から遡ること1200年前、京都の東寺の近くに、それまでは身分や地位の高い特権階級の人しか学ぶことが出来なかった学問を、誰もが学べる学問所「綜芸種智院」を開き、広く庶民に開放した理念に依るものです。誠に持って偉業と言うほかありませんが、なかでも私が最も感銘を覚えるのは、仏教はもとより儒教や当時のあらゆる学問を学べたという点です。ひとつの教義を教え込むのでは無く、様々な物の見方や考え方を知ることが出来たのだと、思うだけでわくわくして来ます。
私達は今、何が正解か、無理にでも答えを出させようとする世界に生きています。敵か味方か、○か×か、お前はどっちだと追い立てられているような余裕の無い社会の有り様は、とても健全だとは言えません。建学の精神を活かした教育が、今日程求められている時は無い、と言っても過言ではありません。人間教育とは、まだ見ぬ解(答え)を探し求め続ける学びの過程、それ自身によって形成される人間性を指しているのだと、考えています。主体的な学びが成長の何よりの原動力です。本校への進学志望動機は皆さん方それぞれ様々でしょうが、自らの心に芽生えた将来への希望をしっかり持って、これから始まる高校生活を充実したものにして行って欲しいと願っています。普通科では、教育探究コース、幼児教育コース、そして進学総合コース、それに看護科・看護専攻科(5年1貫)コースと学校法人千代田学園ならではのライン-アップだと自負しているところです。その多くが、人が人として豊かな人生を過ごす上で、欠かすことの出来ないコースに彩られています。勿論まだ先のことは全く白紙と言う人も多くいるでしょうが、心配には及びません。本校では自分の可能性に気づく様々な機会が、沢山用意されています。日頃の授業はもとより、クラスや学年で取り組む行事などを通して、自分自身の良いところをどんどん見つけて下さい。そのためならば、教職員は皆さん方をとことん支えて行くことをお約束します。そして本校での3年間あるいは5年間が、皆さん方に取って掛け替えのない日々であったと言えるようにして行きましょう。以上、入学式に際しての祝辞と致します。
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