Chiyoda Gakuen
大阪千代田短期大学2019年度入学式を挙行するに際し、学園を代表して祝辞を申し述べます。
新入学生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さん方を心から歓迎致します。2年後、730日後の笑顔を楽しみに今日からスタートです。また保護者の皆様におかれましては、春4月、桜の花開く善き日、きっと感慨も一入のことと存じます。
さて皆さん、本学は幼児教育科を全国で最も早く設置した短期大学のひとつとして、1965年(昭和40年)学校法人千代田学園によって設立されました。一万人に及ぶ卒業生を輩出し、幼稚園や保育園を始め、広く教育や福祉の分野で確固たる地歩を築いて来ました。
新入生の皆さん、皆さん方がこれから目指す幼児教育や保育等の仕事で最も大切なことは何でしょうか?豊かな知識、確かな技術。そうですね。そうしたことをしっかり身につけなければならないことは言うまでも有りませんが、でもそれだけではありません。むしろそれは後からついてくる位のつもりで、仕事に従事してからも学び続けることが大事です。ではバックボーンとして一本筋を通して置くべきこととは何でしょうか?それは、何を置いても人権の尊重です。
全ての人の命に軽重はないと言う、この当たり前のことを握って離さない姿勢を貫き通すことが出来るかどうか、が問われているのです。こどもであれ、障害者であれ、勿論幼児教育や保育、障害者福祉の労働に従事する人自身の権利も又、然りです。手際よく目の前の利益を確保することが、社会経済活動の何よりの優先課題とされがちなグローバリゼーションの時代における風潮からは、ちょっとはずれているように見えるかもしれませんが、たじろがずに胸を張って声を挙げましょう。本当に大切なことは、人が人として尊ばれる社会を私達は願い、その実現に向かって自分自身の人生を重ね合わせることに意義を見出したからこそ、本学への入学を望んだのだと言える貴方であって欲しいと思います。
2年後には皆さん方を是非迎え入れたいと、多くの幼児教育や保育・福祉施設の施設長さんたちは、一日千秋の思いで、もう今から待ち焦がれておられます。その日に向けて、様々な経験を存分に積み重ねられて、人の痛みや悲しみ、そして喜びを共にすることができる素敵な専門職を目指して下さい。期待しています。
皆さん、改めて私たちの使命に思いを馳せる時、短期大学の未来について考えを巡らせないではいられません。そもそも本学は、高野山真言宗の開祖空海が唱えた興学の精神、すなわち身分の上下なく、誰もがあらゆる学問を学ぶことが出来る綜芸種智院を手本とし、教養を備えた有為な社会人としての資質を養い、ひとりひとりが自らの人生を創造的に生きていく力を身につけられるようにすることを目指し、1950年、昭和25年に高野山真言宗の末寺、盛松寺の住職、高橋道雄氏によって設立されました。
私たちは今、そのような歴史的経緯を踏まえ、且つ河内長野市が宿場町として栄えた都市としての成り立ちや立地から、高野山大学と力を合わせられないかと考え、本学の敷地・建物(教室)等を活用して、高野山大学が新しい学部(教育学部)の設置を検討されるのなら、本学も又、協働して事業の成功のために力を尽くしたいと呼びかけました。高野山大学は新学部開設に向けて全力で準備に取り組んでおられます。この事業が成就した暁には、本学園が一層賑わい、学園にとって大学間連携の新たな魅力の誕生へと期待が膨らみます。私たちは皆さん方の学びの環境を整え、支え続けることを約束します。どうか緑豊かな南河内でのキャンパスライフで、皆さん方が今まで気づかなかった自分の限りない可能性を発見し、大きな自信を身につけられることを願い、入学式に際しての祝辞と致します。
ご入学おめでとうございます。
2019年4月1日
(C)2018 Chiyoda Gakuen All Rights Reserved.