Chiyoda Gakuen
樟美会の皆様今日は。皆様の母校は多くの生徒が集う学園として、日々確かな足跡を刻み、明日に向かって躍動しています。本学園が立地する南河内は、河内長野市を初め人口減少や高齢化の進展が著しく、府立高等学校の募集停止や再編が進められる中、幸いにも本校は募集定員どころか学則定員も増員し、新入生を迎え入れる教室の確保のため、急遽工事に取り掛かるなど、大わらわの春先でした。
1学期を終え、ほっと一息というところですが、休養を取りつつ、若い教員もたくさん迎えた今だからこそ、しっかりと教科研究にも勤しんで欲しいと願っています。豊かな経験を蓄えた教員と、瑞々しい感性の若い教員が織りなす教育活動の醍醐味。そんな出会いを私は期待しているのです。そして更に、これまでともすれば、短期大学と高等学校の関係は近くて遠い存在でしたが、3年前に開設した「高短5年一貫幼児教育コース」の1期生の短大への進学を来春に控え、嬉しいことに5年間を見通したカリキュラム作りの取り組みが、ようやく高短双方の教員の間で嚙み合い始めたのです。何を今更とお叱りを受けるかも知れませんが、これこそ同じ学園の二つの異なる校種の究極の融合を目指す高度な事業、お互いを尊重しつつ互いに学びあう、共同の取り組みのこれからを是非楽しみにしていて下さい。
さて、来年度2020年は学校法人千代田学園創立70周年の記念の年です。戦争の傷跡癒えぬ1950年(昭和25年)高野山真言宗の末寺盛松寺住職の高橋道雄師は、第二次世界大戦後の人心の荒廃を憂いて、庶民のために学問所を開いた弘法大師空海の偉業に倣い、千代田高等学校と同付属幼稚園を開設されました。以来70年、曲折を経て今私たちが大切にしていることは、建学の精神「人間教育」の今日的具現化です。格差が広がり、住みよい社会とは言い難い時代だからこそ、学園のミッション(使命)は益々必要とされているとの自覚を持って改革を進めています。
改革の要諦は「対人援助職」の育成です。全ての人の基本的人権が尊ばれ、人間らしく一生を健やかに過ごすことが出来るよう、暮らしや生活課題に寄り添いつつ、人々を支え続ける有意な人を輩出することを目途に、専攻科を有する看護科の設置や普通科の幼児教育コース、教育探求コースを改変整備して来たところです。教育や医療、福祉の分野でなくてはならない地歩を築き上げる決意を申し上げるとともに。同窓諸氏の変わらないお力添えを切にお願い致しまして、ご挨拶と致します。
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