Chiyoda Gakuen
大阪暁光高等学校第2回看護専攻科修了式に当たり、学園を代表して祝辞を申し述べます。看護専攻科を修了された56名の皆さん、おめでとうございます。皆さん方は看護科・看護専攻科2期生として、2014年4月本校に入学されました。皆さん方が学んで来られたこの5年間の足跡は、それ自身が本校の歴史のあらたな頁を開く1日1日でありました。はるか5年後の今日の日を夢見て入学されたものの、文字通り、道なき道を歩む先駆者の気概とともに、一抹の不安を抱えての毎日だったろうと思います。とりわけ、高校課程を終えた後の専攻科での学びは、看護専門科目の講義と臨地実習で息つく間も無い2年間でしたね。大事な臨地実習では思うように適切な看護ができない自分に、もどかしい思いがしたり、それどころか果たして自分は看護師として適性か、とさえ訝ることもあったのではないでしょうか?でもそんな不安な時、決まって奮い立たせてくれたのは、患者さんの「有難う」の感謝の言葉であったり、「頑張りや」の激励でした。そうした日々を乗り越えて本日を迎えられたのです。私は皆さん方を心から誇りに思い、その頑張りに敬意を表する次第です。改めてお祝い申し上げます。
さて、翻って本校が看護教育に取り組むことを決意したのは、あの東日本大震災に見舞われた2011年3月でした。本校が紡いで来た主権者として主体的に生きる力を育む教育を、今日の地域社会が抱える課題解決に、些かでも資することは出来ないだろうかと考え、検討を重ねて得た結論のひとつ、それが看護教育でした。とは言え、高い専門性と豊かな人間性が問われる職業である看護師の育成は、全く未知の分野であった本校にとっては、社会的意義が大きければ大きい程、一層覚悟が求められる決断でありました。看護教員の確保は言うに及ばず、臨地実習のご協力のお願い等々、数え上げれば切がない位に多くの人達のお力添えを得て、皆さん方を迎え入れることが出来たのです。そして今日、15歳の少年少女だった皆さん方は成人した大人のひとりとして、この場に臨まれています。感慨も一入です。そして又この日を誰よりも感無量の思いで迎えられたのはご家族の皆様と存じます。5年間我が子を信じ、本校教育に信頼をお寄せ頂きましたこと、心から感謝申し上げます。本当に有難うございました。
そして、年度末のお忙しいなか、看護専攻科修了式にご臨席賜りました御来賓の皆様方、本日は有難うございました。各般に渡り、本校教育にご理解と多大なお力添えを頂いていることに衷心より感謝申し上げます。又、なかでもこの間実習先の諸先生方には厳しくも暖かく根気強いご指導を頂きましたこと、高いところからではございますが、この場をお借り致しまして厚く御礼申し上げます。看護の専門的知識や技量をしっかり教えて頂いただけでなく、何よりも看護する者の心構え、患者さんその人自身を受容することの大切さなど、どれほど多くのことを学ばせて頂いたことか、言葉もありません。有難うございました。
御来賓の皆様、5年一貫課程を修了したとは申せ、まだまだ未熟で、これから始まる看護師としての道のりは険しく厳しいものがありましょう。どうか従前にも増して修了生はもとより、本校教育へのご指導ご鞭撻をお願い申し上げまして、第2回看護専攻科修了式の祝辞とさせて頂きます。修了生の皆さん、本日はおめでとうございます。
2019年3月7日
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